このページではdYdXがどんなサービスなのか?なぜdYdX専用の紹介サイトまで作ってサービスを広めようとしているのかなどを書いています
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dYdXはブロックチェーン型の取引所
dYdXを簡単に言うとブロックチェーン型の取引所です。通称「DEX」と呼ばれています。
2017年頃から次世代の取引所スタイルとして注目されており、一般のユーザーが使えるレベルにまでサービスが広がってきました。
MetaMask(メタマスク)ウォレットを使ってトレードをしている人はUniswap(ユニスワップ)やPancake(パンケーキ)などの取引サービスの名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
dYdXはその1つです。
レバレッジ取引のできるDEX
dYdXはDEXの中でも次のメインストリームとされている「レバレッジ取引のできるDEX」です。
自分の保有するコインを交換するDEXはたくさんありますが、資本以上の金額を取引できるレバレッジ(先物)取引ができるところは多くありません。
DEXの特徴は「所有権」
Binanceやbybitなどの取引所が多くある中でどうしてDEXを使うのか?
その最大の特徴は「所有権」にあります。
ブロックチェーンの世界では秘密鍵を保有している人のみがそのアドレスにある資産を動かすことができます。そこに取引所の運営のコントロールは及びません。
平常時は意識することはありませんが、取引所に入金した資産というは私たちが所有権を主張できるだけです。実際にその資金が出金できるかどうかは相手を信用できるかどうかにかかっています。
そして歴史的にその信用は裏切られてきました。
dYdXを使うことのメリット
dYdXは開発チームを信用してお金を入金するという行為はありません。
彼らがブロックチェーン上にプログラミングした自律的に動く取引所システムを利用して私たちは取引を行います。
所有権を保有できることの革命
仮想通貨の世界では取引所や事業体の都合で出金を停止される。または資金の持ち逃げ、企業の倒産のあおりを受けるということが日常的にあります。
こういう話は仮想通貨に限った話でありません。金融取引の世界では日常的に起こりうることです。
この巨額の預金が4月から引き出せなくなっています。
こうしたなか、警察当局は18日、投資会社を支配していた人物を主犯格とするグループに「銀行を利用した重大犯罪の疑いがある」と発表しました。
銀行ですら例外ではありません。日本ではかつて預金封鎖が行われ、自分のお金を銀行から出金することに制限を設けられた歴史もあります。
1946年2月17日、第二次世界大戦後のインフレーションの中、幣原内閣において、緊急勅令として金融緊急措置令及び日本銀行券預入令が制定公布され新円切替が施行されると同時に実施された。
このようにある運営体に自分の資産を入金するということは所有権を保持できず、相手を信用することでしか資産の保全ができません。
一方でブロックチェーンの世界はそうではありません。
そのアドレスの秘密鍵を保有していなければ、第三者が奪うことも差し押さえることもその資産を消してしまうことも全て不可能です。(秘密鍵を押収されたらその限りではありませんが)
アドレス上にある資産を主張する時に権力や運営は必要とせず、秘密鍵を提示することで所有権を証明できます。
その特性を取引所に応用した技術がDEXであり、dYdXを使うことはその恩恵を受けることができるというわけです。
デメリットやリスク
一方デメリットやリスクも存在します。ブロックチェーンの特性をトレードのような非常に処理速度が求められる業界に適用するにはまだ技術が未成熟です。
イーサリアム(L1)とStarkNet(L2)間の資金移動が存在する
技術的な話になるのですが、イーサリアムのブロックチェーンは現在15秒に1つの取引群の処理を行うというスペックになっています。この処理速度では秒間何千もの取引がされるレバレッジ(先物)にはとても有用できません。
そこでイーサリアムをレイヤー1と呼びその上に高速な処理を行えるブロックチェーンを構築しこれをレイヤー2としています。
dYdXもStarkNetと呼ばれるブロックチェーン上でアプリケーションが構築されています。
ユーザー体験の悪さ
このレイヤーの違いがユーザー体験を非常に悪くしています。
大半の人にとっては意味が分かりませんし、わざわざイーサリアムチェーンからレイヤー2のチェーンへ資金を移動させる手間も多くのひとには敬遠される理由になるでしょう。
「こんなに面倒だったら普通の取引所を使えばいいじゃん」
となるのが普通の人の感覚です。
流動性が低い
また新ジャンルということもありトレードにおける流動性が低いというデメリットもあります。流動性が低いということはそれだけ他の取引所と比較して不利なレートでトレードをしないといけない可能性があります。
dYdXでは多くのトレードペアがありますが、この流動性がしっかりあるかどうかは必ずチェックするべきでしょう。なお流動性について将来的にはそれほど不安要素ではありません。
UniswapやPancake SwapなどのDEXが取引所と同等レベルにまで成長した流れを見ると、充実してくるのは時間の問題であると筆者は考えています。
技術的な脆弱性が起きる可能性
上記ではブロックチェーンが「所有権」を守ることができる革新性・堅牢性について紹介しました。しかしdYdXのプラットフォームに何らかの予期しないバグが存在し結果的に資産がハッキングされたり毀損される可能性はあります。
過去のプロジェクトではブロックチェーンのセキュリティには問題はなかったものの、システムに不備があり永遠に資産を引き出せなくなったプロジェクトも存在します。
可能性は低いですがこういったリスクも想定しての利用が必要です。
dydxを使うべき人
これらの話を踏まえて筆者が思うdYdXを使うべき理由を挙げていきます。
取引所を信用していない
最も大きいのはこれでしょう。dYdXブロックチェーン技術の恩恵を受けられる取引所システムであり、運営を信用する必要がありません(トラストレス)
自分の資産の所有権を完全に主張したい人ほどこのメリットが魅力的に写るはずです。
高い流動性を必要としてない人
dYdXの先物取引はまだ本格稼働したばかりです、取引所プラットフォームを完成させそこに流動性を提供する業者が充実するまで低い流動性の時期が続くでしょう。
特にマイナーなアルトコインの流動性は低くトレードする方が危険な状態です。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は流動性が高くレバレッジも20倍までかけることができるため、主要銘柄の取引をする人であれば十分に取引をすることができます。マイナーなアルトコインの取引を必要とする人はdYdXに向かないということになります。
DAOを経験してみたい人
dYdXはDAOを目指すプロジェクトです。(詳しくはWeb3やDAOで定義を調べてみてください)
DAOの形成にコミュニティを最も大切としており、自分がdYdXのためにできることを提案できる場があります。
このサイトもdYdXへ「英語に馴染みのない日本人ユーザーでもdYdXを迷うことなく使えるように解説サイトを作りたい」という要望を提出し、投票の結果予算が割り当てられて作成しています。
これをGrant(助成金)と呼びます。
そのほかdYdXの取引補助ツールを作成や翻訳作業、データ分析などさまざまな貢献方法をしている人が世界中にいます。こういった次世代の取り組みに興味がある人もdYdXを触り、そのコミュニティに参加してみる価値があります。
エアドロップを期待している
dYdXは過去にDYDXトークンを立ち上げるときに過去にプロダクトを利用したユーザーにエアドロップ(トークンを配ること)を実施しました。
利用頻度にもよりますが数百万円の価値をエアドロップされたユーザーも少なくありません。明確に宣言はされていませんが、今後もプロダクトを利用しているユーザーへなにかしらエアドロップなどの恩恵がある可能性もあります。
こういったことに期待をするならdYdXプロダクトを利用した形跡を残しておくのもいいでしょう。